今回は対戦について。
少し踏み込んで大会形式の話です。
日常でも見聞きするような勝ち抜きのトーナメント形式の大会。
遊戯王などカードゲームをする人にとって馴染みのスイスドロー形式。
後者は1度負けたら敗退するトーナメントと違い、
一定の対戦数が保障されている形式です。
そのスイスドロー形式の大会で
『サブマリン戦法』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
戦法とは言うもののプレイングを指すものではなく、
結果を残すための手段と言った方が適切です。
サブマリン=潜水艦ということで、
潜って浮上するような動向を表しています。
参加人数16名の大会で、スイスドロー形式を行ったとします。
全4回戦のマッチで全勝した人が1人となり、その人が優勝となります。
そして二位以下の順位はマッチを3勝1敗した人から選ばれます。
この『3勝1敗』が重要です。
3勝1敗となる成績の人は、
・1~3回戦でマッチに勝利し、4回戦で負けた(優勝決定戦で負けた)
・1~4回戦でマッチに3勝した
となります。
負けたタイミングは違いますが、マッチの成績は同じ扱いになります。
二位以下の順位決定方法は大会ごとに基準があるため、ここでは割愛します。
対戦の組み合わせを見ていきます。
1回戦は16名がランダムにマッチングされます。
2回戦は1回戦で勝ったグループ、負けたグループに分けて、
同じグループの中で組み合わせます。
3回戦以降もマッチの成績が同じグループの中で組み合わせます。
1回戦に負けたとしましょう。
すると2回戦は、自分と同じように1回戦で負けた人と対戦になります。
極端な言い方をすると、
全16名の中で強さが真ん中以下の人と対戦になります。
全4回戦の対戦のうち、2回戦でマッチの1勝を堅実に狙いやすくなります。
3回戦以降はどうでしょうか。
順当に1回戦から勝ち続けた場合と比べて、
対戦相手も同様に1敗している人とから選ばれます。
最終的に優勝する人と対戦することはありません。
全16名の中で下位のグループからスタートすることで、
勝ちやすい対戦組み合わせを誘導することができます。
自分が上位入賞を何としてもしたい場合。
全勝優勝を目指したいですが、
予選と本選と二部に分かれる大会で予選を突破したい場合。
負けることで勝ちやすくなる…これがサブマリン戦法の狙いです。
最後に注意点です。
カードゲームは運の要素、そして遊戯王はデッキの相性というものも顕著です。
サブマリン戦法で環境を席巻するデッキや勝ち進むプレイヤーを回避できるかもしれません。
しかし運や相性は別です。
これはTetsu自身の経験からですが、
1回戦で負ける人はガチデッキではなくファンデッキを使う方が多くなりやすいです。
ファンデッキ=弱いわけではないです。
1回戦という1度の対戦ではコンボが成功できないということが多いです。
ガチデッキに比べファンデッキはコンボが凄まじい場合があり、
成す術もなく負けてしまうこともあります。
また二番手三番手と呼ばれるデッキであっても
特定のデッキに効力を発揮する場合もあります。
俗にいう地雷デッキとの対戦機会が増えます。
相手のデッキコンセプトを理解できず、
サイドデッキに対策カードすらなくて何もできないこともあります。
強いと言われるプレイヤーが
1勝もできずに敗退したということを見聞きしたことはないでしょうか。
1回戦、ただ1度負けてしまったがゆえに、
ズブズブと深みにはまっていくパターンです。
サブマリン戦法はあくまでも1回戦を負けてしまった
『かっこいい理由』として、話のネタ程度に。