新しいカードを見聞きしない日が無いとも言える昨今の遊戯王。
今回注目したいのは特殊召喚。
このゲームにおける醍醐味の一つであり大逆転の要素でもあります。
初期は《死者蘇生》や《融合》の特殊召喚が主流でしたが、
儀式が増えてシンクロやエクシーズもスタンダードに。
根付くまでに時間があったものの、今や一線級となったペンデュラム召喚。
特殊召喚が増えれば増えるほど、その対策カードが飛び交う中で、
此処で取り上げるのはやっぱり珍しいカード…
《召喚制限-パワーフィルター》を紹介します!
永続魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、
お互いのプレイヤーは攻撃力1000以下のモンスターを特殊召喚できない。
・基本にして絶対
『永続魔法』
永続魔法というカテゴリの登場は第二期から。
《サイクロン》など速攻魔法も同時に登場し、
カードのフォーマット自体が刷新された時期です。
発動さえ通れば、その後の効果がチェーンブロックを作らないことが多く、一方的に適用。
その名の通りフィールドに存在し続ける限り効果が適用されます。
お互いに効果が及ぶフィールド魔法に似たカードでありながら、
相手だけに制約をかけるような効果もしばしば。
中には通常魔法のように使い切ったり、攻めに転じるようなものだったり。
永続魔法と言いつつもカテゴリ内で種類が多いです。
永続だからと言うよりも何度も使える通常魔法という言い方ができるかもしれません。
モンスターはモンスターで戦闘破壊できますが、
永続魔法は破壊など除去の手段をとらない限り存在し続けます。
存在し続けることで永続的に効果を適用できるのは基本にして絶対の強みです。
・以下というテキスト
『お互いのプレイヤーは攻撃力1000以下のモンスターを特殊召喚できない。』
攻撃力〇〇以上と表記され、
上級モンスターや高い攻撃力を持つモンスターが制約を受ける姿は想像しやすいと思います。
しかし《召喚制限-パワーフィルター》が止めるのは下級のモンスター、
その中でも小粒のモンスターです。
昔であればロックデッキ=制約をかける状況では、
下級モンスターの運用が主でした。
ビートダウンを基本戦術とするデッキが多いために生まれたデッキタイプです。
ただ攻撃を止めるだけでは昨今の遊戯王は務まりません。
永続魔法が存在し続ける限り絶対とは言ったものの、
どんなデッキでも除去する手段が容易であることも今の遊戯王です。
そのため、そのモンスターを召喚される前に止めること、
召喚自体をさせないことに焦点が置かれます。
上級モンスターが飛び交う現代の遊戯王において、
制約の対象が小さく見えますが有用さを次で語っていきます。
・環境へのマッチング
《召喚制限-パワーフィルター》が注目されたのは
『クイックダンディ』や『ゼンマイ』など
小粒のモンスターを大量展開するデッキが台頭したためです。
その下級モンスターを使うデッキでも、
取り分け低攻撃力を多用する構築を見極める必要があります。
冒頭に述べたようにモンスターの種類は増え続けていますが、
《召喚制限-パワーフィルター》は攻撃力を参照するため
ランクやレベルといったモンスターの種別を問わずに適用することができます。
現環境でも猛威を振るう『十二獣』に対して非常に有効な一手です。
今後も色々なカードが登場してくると思いますが、
攻撃力というのは全てのモンスターに共通するデザインです。
有用なテキストを持っている場合は攻撃力が低いことが多く、
長く使える一枚となりそうです。
・最後に今回は実のある話に!?聖騎士での活躍です。
(Tetsuのフェイバリットデッキ、趣味の話なのでスルーしてもらって構いません)
『聖騎士』はアタッカーから準アタッカーと呼ばれる、
ある程度攻撃力を持ったカードデザインです。
《奈落の落とし穴》にかかり、
相手モンスターを『聖剣』なしには打倒できず中途半端と嘆くこともありましたが、
その中途半端さが《召喚制限-パワーフィルター》の制約に引っかかりません。
ロック要素のカードを採用する場合、
相手への影響力以上に自分が如何に損をしないかという点も重要です。
《召喚制限-パワーフィルター》は全ての『聖騎士』が影響を受けないため、
難なく採用ができます。
ただ…装備カードを多用し、元より魔法罠ゾーンが圧迫されるカードデザイン。
装備魔法である『聖剣』には耐性があるものの全体除去に脆く、
かといってそれを防ぐ札を伏せることはできず。
相手は従来の『聖騎士』メタを採用するだけでよく…
特別に有利な状況を生むことができず戦線を突破されそうです。
特殊召喚を封じたり強いモンスターを抑え込んだりするカードは多いです。
しかし、それらの起点となるのは小粒なモンスターであることも多いです。
デッキを工夫して一方的に相手へ《召喚制限-パワーフィルター》を課し
有利に進める盤面、見てみたいものです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。