新弾登場の度に誕生するとしても過言ではないデザインデッキ。
此度のエクストリーム・フォースでは
『機界騎士』と呼ばれるカード群が登場。
その名の由来はわかりませんが、
呼称から連想したのはジャックナイフでした。
刃と見紛え、その切れ味どころの話に収まらないであろうポテンシャルを紹介します!
《紫宵の機界騎士》
効果モンスター
星8/光属性/サイキック族/攻2500/守2000
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):同じ縦列にカードが2枚以上存在する場合、
このカードはその縦列の自分フィールドに特殊召喚できる。
(2):自分フィールドの「ジャックナイツ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを次の自分ターンのスタンバイフェイズまで除外し、
デッキから「紫宵の機界騎士」以外の「ジャックナイツ」モンスター1体を手札に加える。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(この1枚からデッキも、機界騎士を知ることもスタート)
『機界騎士』モンスターの共通デザインにして最大の特徴である召喚方法。
フィールドにある様々なゾーンの縦列にカードが2枚以上存在すれば、
上級モンスター『機界騎士』を特殊召喚できます。
《サイバー・ドラゴン》や《フォトン・スラッシャー》と似て非なる効果で、
自分で召喚条件を満たすこともできれば、相手が整えてくれている場合もあります。
《リンク・スパイダー》
(トークンはLINK1のリンクモンスターです!)
メインモンスターゾーンと魔法&罠ゾーンを合わせて
2枚のカードを縦列に揃えることは難しくないです。
しかし全部自分のゾーンで揃えた場合、
『機界騎士』モンスターを召喚する場所がありません。
メインモンスターゾーンに空きを作るため、
エクストラモンスターゾーンを含めて縦列にカードを揃えます。
1ターンに一度の召喚権を使い下級モンスターを召喚した後、
同じエクストリーム・フォースに収録されている
《副話術士クララ&ルーシカ》を用意するのも手です。
《PSYフレームロード・Ω》
(Ωにサーチ効果が付いて弱いわけがない)
《紫宵の機界騎士》の固有効果は『機界騎士』モンスターを除外して、
『機界騎士』モンスターをサーチするというもの。
フリーチェーンで発動できる上に、手札が1枚増えるという、
もう何を言っているのかわからないレベルの効果です!
この手のカードは大抵自身のみ、または自身を除くですが、
自分のコントロールする『機界騎士』モンスターであれば
全て発動の対象にすることができます。
これにより『機界騎士』モンスターが全員サクリファイスエスケープ可能となるため、
《紫宵の機界騎士》の効果は『機界騎士』モンスターに疑似的な耐性を与える効果とも言えます。
《ワーム・リンクス》
(毎ターン、加えてお互いのターンにアドバンテージを稼ぐ、ということで思い浮かんだ1枚)
また1ターンに1度の制約はありますが、相手ターンでの使用も可能です。
《紫宵の機界騎士》と『機界騎士』モンスターが2体並んだ場合。
自分のターンで他の『機界騎士』モンスターを除外してサーチ、
更に相手ターンで《紫宵の機界騎士》自身を除外してサーチ、とアドバンテージを確保。
そして次の自分ターンに帰って来た後もまた効果が使えるわけで…
語っていて思いますが、すごいカードですね!!
《蒼穹の機界騎士》
効果モンスター
星5/光属性/サイキック族/攻2000/守2500
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):同じ縦列にカードが2枚以上存在する場合、
このカードはその縦列の自分フィールドに特殊召喚できる。
(2):このカードが手札からの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
このカードと同じ縦列の相手のカードの数だけ、
デッキから「蒼穹の機界騎士」以外の
「ジャックナイツ」モンスターを手札に加える(同名カードは1枚まで)。
(強欲な壺を越える…!?)
『機界騎士』においてアドバンテージを生み出すもう一枚のカード。
《紫宵の機界騎士》と比べた場合、
あちらは召喚さえすれば1枚のアドバンテージを約束。
《蒼穹の機界騎士》は召喚=アドバンテージと言い切れない反面で、
3枚も手札を増やす可能性があります!
《魔導書の神判》
(お膳立ては必要ですが、発動条件の緩さというか何というか…)
『機界騎士』モンスター共通の特殊召喚によって効果を発動しますが、
《蒼穹の機界騎士》の固有効果が発動できない場合に召喚できないということはありません。
縦列2枚以上揃った状況に、
相手のカードも含めていればサーチ効果を適用することができます。
エクストラモンスターゾーン、メインモンスターゾーン、
魔法&罠ゾーンの3か所に相手のカードが揃っていて。
その列にある自分のメインモンスターゾーンに《蒼穹の機界騎士》を召喚すれば、
3枚の『機界騎士』モンスターをサーチ可能です。
実際は相手のカードを1枚含むような状況で召喚すれば、
1枚サーチ可能なので損はないですが。
最大で3枚をサーチできるという夢のある話です。
デュエルが進み盤面が埋まれば埋まるほど、
爆発的なアドバンテージを生み出すカードへ変貌します。
《蒼穹の機界騎士》自身をサーチできませんが、
先述した《紫宵の機界騎士》を手札に加えることは可能です。
その《紫宵の機界騎士》を召喚し《蒼穹の機界騎士》をサーチすれば、
手札が尽きることはないでしょう。
《死皇帝の陵墓》
(効果の発動条件は、手札からに着目)
《蒼穹の機界騎士》に限らず言えることですが
『機界騎士』モンスターは『特殊召喚モンスター』ではないため、
様々な効果で召喚が可能です。
特に《蒼穹の機界騎士》の場合は手札からの召喚
または特殊召喚で効果を適用することができるので、
アドバンス召喚はもちろん《見習い魔笛使い》など
他のカードの力を借りて召喚する構築もあってよさそうです!
《紺碧の機界騎士》
効果モンスター
星8/光属性/サイキック族/攻2400/守2400
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):同じ縦列にカードが2枚以上存在する場合、
このカードはその縦列の自分フィールドに特殊召喚できる。
(2):1ターンに1度、
自分フィールドの「ジャックナイツ」モンスター1体を対象として発動できる。
その自分のモンスターの位置を、他の自分のメインモンスターゾーンに移動する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(機界騎士のテーマを象徴する、いぶし銀的存在)
縦列に2枚揃えていくことが特殊召喚条件であり、
その配置を意識したデザインが『機界騎士』。
この《紺碧の機界騎士》は、ここまでに紹介した
《紫宵の機界騎士》や《蒼穹の機界騎士》のように手札を増やすわけではなく。
相手のカードを破壊する
《黄華の機界騎士》《紅蓮の機界騎士》という効果を持っているわけではありません。
一見、このカード単体ではフィールドを移動できる、
という遊戯王において意味のない行為に思えますが…。
《PSYフレームロード・Ω》
(再び登場、新ルールでもエクストラモンスターゾーンを圧迫しないエクストラモンスター)
『機界騎士』モンスター共通の特殊召喚方法は此処までに述べましたが、
そのデザインの都合上、後に続きにくいということがあります。
それぞれの『機界騎士』モンスターは1ターンに一度特殊召喚できるのですが、
縦列に2枚揃った召喚場所は限られています。
せっかく《蒼穹の機界騎士》でカードを増やしたとしても、
それらのカードを展開するには条件を満たしたメインモンスターゾーンの方が足りません。
《紺碧の機界騎士》から特殊召喚を始めれば、
《紺碧の機界騎士》は自身の効果で移動できるため、
再び条件を満たしたメインモンスターゾーンを用意したことになります。
その次に《紫宵の機界騎士》を特殊召喚し、自身を除外。
最後に満を持して《蒼穹の機界騎士》を特殊召喚、といった感じです。
《星遺物に眠る深層》《星遺物へ至る鍵》《星遺物の囁き》
(左から順にスキルドレイン、王宮の勅命、王宮のお触れ)
展開に一役買うような位置づけでは終わらないのが《紺碧の機界騎士》。
『機界騎士』には専用の魔法と罠カードがあり、
それぞれが無効化する効果を持っています。
この専用カードたちも列を意識したデザインとなっていて、
効果は強力なのですが『機界騎士』モンスターが存在する列にしか効果を適用できません。
当然、相手はその列を避けてカードをプレイしてくることでしょう。
そこで活きてくるのが《紺碧の機界騎士》の効果となります。
相手ターンにも発動できるフリーチェーンの移動、
それは相手がどこにカードをプレイしても対象もとい列に含ませることができるのです!
リンク召喚、リンクモンスターに始まった新マスタールール。
それが成しえたのは最初期から存在していた、
もとい遊戯王として確固としてあるモンスターや魔法&罠というゾーンという
デュエルの要素を再認識させるものでした。
もっと言えば、これも含めたものが本当のデュエルである、と。
日を追うごとにカードの種類は増え、
デッキの構築やプレイングも広がり続ける昨今。
置き方への介入は、よりエキサイティングな戦いを演出していく期待させつつ。
その複雑化の一途を辿っていくがゆえに、
導き出された最適解が今まで以上に定常化した環境を作っていくのでしょうか。
勝敗も大事ですが本来ある形、
遊戯王というものを感じていきたいな、と考えさせられました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。