《成金ゴブリン》
魔法カード
自分のデッキからカードを1枚ドローする。
その後、相手は1000ライフポイント回復する。
ドローソースとして登場当初から注目される。
《強欲な壺》や《天使の施し》の様に手札を増やしたり、大幅に入れ替えたりする事は出来ないが、
多くのドローソースが禁止制限となる中で候補に挙がる一枚である。
ライフ回復をコンボに組み込むようなデッキをしばしば。
デッキ圧縮という単語と共に使われる事が多いこのカード。
実際にキーカードを引く確率が上がっているのだろうか。
キーカードを揃える事の代名詞、エクゾディアデッキを例にして以下を見て頂きたい。
・エクゾディアデッキの初手
《封印されし者の右腕》
《封印されし者の左腕》
《封印されし者の右足》
《封印されし者の左足》
《成金ゴブリン》
この時《成金ゴブリン》を発動すればデッキ圧縮に繋がる。
つまりもう一度デッキからドローする事でデッキに眠る《封印されしエクゾディア》を揃える確率が増える。
此処で考えたいのは《封印されしエクゾディア》以外のカードも『等しくドローする確率が存在する』という事。
確かに《成金ゴブリン》を発動する事でキーカードをドローする確率は増えるが、
それは同時に他のカードもドローしてしまうと言える。
デッキの残り枚数が少なくなった事象を圧縮とは言えるが、勝利が近づいたとは言い難い。
ならば《成金ゴブリン》の真価は何処にあるのか。それは構築の段階で存在すると言える。
1枚目 封印されしエクゾディア
2枚目 封印されし者の右腕
3枚目 封印されし者の左腕
4枚目 封印されし者の右足
5枚目 封印されし者の左足
+35枚のカード
仮にデッキ枚数が5枚であれば、初手に5枚を引いた時点で5枚全てのエクゾディアパーツを揃える事になり勝利が決定する。
しかしデッキは40枚以上60枚以下での構築がルールである。
勝利するために必要な5枚以外に、ある意味で『不必要な35枚をデッキに投入』する事になる。
この35枚のカードは如何に攻撃力が高くても、如何に相手を妨害するカードであっても、勝利条件を満たす事は出来ない。
此処で登場するのが《成金ゴブリン》である。
仮に残りの35枚全てのカードが《成金ゴブリン》であれば、エクゾディアパーツを全て揃えるまでドローする事が出来る。
《成金ゴブリン》で《成金ゴブリン》を引いたのであれば、また《成金ゴブリン》を発動すればよい。
いつかはエクゾディアパーツに辿り着く。
上記は実際に在り得ない構築であるが、構築の段階でという事は間違っていない。
エクゾディアを揃える手段は様々な方法が考えられるが、選択した方法に特化させる事を《成金ゴブリン》が担う事になる。
《成金ゴブリン》を採用する事で、自分が『本当に必要と思うカードのみでデッキを構築』する事が可能になる。
不要なカードを引く確率を下げ、極端な言い方をすれば0にする事が出来る。
そのためデッキ構築の際は、なるべく3枚投入出来るカードで構成する事が望ましい。
そうする事で《成金ゴブリン》を発動した事によって得た『機会』は、より引き込むカードを絞らせ勝利に近づく。
この投稿の時点で構築の段階で勝利するデッキは存在しない。
40枚の全てを損失の無いドローソースには出来ないのである。
手札が減ってしまったり、引くカード次第でデッキの回転が止まったりする。
カードは確率のゲームである。
しかし《成金ゴブリン》を採用する事で、不確定な確率から確かな結果を生むデッキへ確立する事が出来るかもしれない。